【豆知識】はんこを彫る資格って存在するの?2024.5.10追記

2024/05/10

印章彫刻士

はんこを彫る資格って存在するの?

普段何気に使っているはんこには、三文判と呼ばれるプラスティックの既製品のはんこもあれば、高級手彫り印鑑(*1)まで様々な作り方をしたはんこがあります。

販売している所も、はんこ屋から文房具店、書店、百円均一、ホームセンター、タバコ屋さん、町のいたるところで販売されています。
また販売方法も対面接客から最近では少なくなりましたが訪問販売、カタログ通販やインターネット通販、最近では自動販売機までいろいろな販売方法があります。

そんな自由なはんこの販売ですが、はんこを彫る資格があることをみなさんはご存知でしょうか? しかも、国家認定のれっきとした資格がございます。

国家認定以外にも資格も昨今見受けられますが、今回は、国家認定の印章彫刻の資格をご紹介したいと思います。

はんこを彫る資格、印章彫刻技能士とは?

はんこを彫る資格、印章彫刻技能士とは、国家資格である技能検定制度の一種です。各都道府サック性県知事(問題作成等は中央職業能力開発協会、試験の実施等は都道府県職業能力開発協会)が実施する、印章彫刻に関する学科及び実技試験に合格した者をいいます。 なお、職業能力開発促進法によって、印章彫刻技能士資格を有していないものが、印章彫刻技能士と称することは禁じられています。

1級印章彫刻技能は、厚生労働大臣。2級印章彫刻技能は各都道府県知事によって認められた資格ですが、世間一般にほとんど認知されておりません。

一級技能検定合格証書
印章彫刻士
試験の内容としては、はんこの知識をという、学科試験と実際にはんこを彫る能力を試験する実技試験があり、双方合格基準点以上をとると資格合格となります。

ちなみに、この資格ですが、2級彫刻彫刻士の免許は私が取得した平成25年を境に実技試験から字入れ、荒彫り(*2)という工程が試験からなくなりました。29年からは、機械彫刻されて印材を仕上げる工程のみが実技試験において試験されています。1級彫刻士は字入れ、荒堀、仕上げまでの工程が試験内容に含まれます。

まとめ

IT化が進んだ現在、はんこの作成も殆どの工程を機械化及び自動化が進んでいます。
けれども、機械を扱うのはあくまで人であり、文字の良し悪し、美しさ、同じい印章を作成しないという意味では、機械では現状はまだまだ難しい一面を持っております。

印章彫刻士の資格を有していないと、ハンコ屋(印章店)を営んだり、販売、製造してはいけないということはございません。

けれども、印章彫刻士を有する専門店は、大量生産ではなくお客様第一の印象を作成するお店であり続けたいと思います。
京都インバン株式会社は、常時3人の印章彫刻士が社内に在籍し、勤務にあたっています。

令和4年3月11日、弊社代表、高日結美が一級彫刻士、山崎紗子が二級彫刻士の資格を新たに取得しました。
現在一級印章彫刻技能士が1名、二級印章彫刻技能士が4名と計5名の印章彫刻技能士が常勤しています。

*1 本来、印章と呼ばれるもののことをはんこ、印鑑(いんかん)と呼んでいますが、印章又ははんこと同じ意味で「印鑑」という語を用いません。
*2 荒彫りとは、印章の材料に文字入れしたものを、印刀とよばれる専用の彫刻刃で材料を大まかに彫刻する工程です。