印鑑の素材~黒水牛編~

2022/01/13

前回に引き続き、印鑑の材料のお話です。

私、前回にも少し記載しましたが、京都インバンに勤めて20年近くになります。

その中で、一番お客様にご購入いただいた材料こそ、
今回お話させていただく黒水牛の印材です。

黒水牛印鑑

一般的に、印鑑に使用する材料といえば、象牙を思い浮かばれる方が、多いと思いますが、
昨今の事情から販売が難しいですし、何よりお値段が...

その点、黒水牛の印材は、印材としての粘り・強度はしっかりとしており、比較的リーズナブルです。

自然の中では真黒な水牛の角は存在せず、黒い色は染料で染めています。
タイ・ミャンマー・インド等に生息する家畜化されたアジア水牛が原材料となっております。
はんこの印材以外には、ボタン、包丁の柄などにしようされています。最近では中国を始めアジア諸国でボタンの材料として需要が多く、品薄ぎみです。

黒水牛 芯持ち材料

角には、神経の通る芯というものがあります。大きな角であれば印材(約60ミリ)を2本取れることもありますが、今が大きな角が少なりなり、ほとんどが小さな角となっています。
そのため、『芯持ち』と呼ばれる材料は希少価値が高いといわれています。

通常は芯を中心に1本の材料をとりますが、訂正印や細い材料を作成するときには、芯を含まない材料を使用することもあります。

一般的に黒水牛の芯が小さいほど、商品価値が高く良質だ言われています。
適度な粘り・硬さから朱肉ののりが良く、きれいに印影を捺すことができる材料です。

天然の素材であるため、湿度により商品が乾燥しやすく、特に冬場乾燥している場所では、商品にヒビがはいることがあります。
京都インバンでは、商品出荷時、保湿のために油を塗って納品する場合がございます。