印鑑の素材のお話の続きです。
初回の黒水牛に続いて牛の角を用いた印材 牛角のお話
牛角 (通称 オランダ水牛)
主にアフリカ全域に生息している陸牛が原材料。同じ牛の角の材料の黒水牛と区別するために牛角とよばれています。
黒水牛と同様に角にある芯と呼ばれる部分を中心に、角1本に対し、1本の印材しかとれません。
また、訂正印や細い印材を作成する際には黒水牛と同様に芯持ちの材料ではなく、芯の周りの部分を用います。
牛角は黒水牛と違い芯の大きさで材料のランク分けがなされているのではなく、材料に含まれる色の大きさで、そのランク分けがなされております。
黒色や茶色の縞のような柄のものがほとんどで、柄色が少なければ少ないほど高級な材料といわれております。
また柄色が全くない「白」と呼ばれる材料は非常に数が少ないため、最高級品として扱われております。
最近まで、牛角がオランダ水牛とよばれていました。その理由は、江戸時代の鎖国時に交易のあったオランダから日本に入ってきたという説や、オランダが材料の集積地であったためなどのいろいろな諸説があります。
黒水牛より芯の大きさが大きいことが多く、文字と芯が重なると凹みで文字が写らないために、字入れや彫刻の際に慎重さと技術を要します。
また、牛角(柄入り)は、角の自然の模様をそのまま活かしているために、同じ柄は存在せず、唯一性の高い材料でもあります。